海外転送はそれほど重要じゃない

出国後の日本の郵便物の管理をどうするかという選択肢は知人(親戚)に頼むか、業者(私書箱)にするかの二択しかありません。
一番のポイントは私書箱はお金がかかりますのでその費用に見合うだけのサービスがあるのか?自分には必要か?ということです。
まず最初に引っかかるのが「海外」という言葉です。海外だから自分が依頼する相手には対応が難しいだろうと考えがちですが、実はそこはあまり重要ではありません。
日本の商品は海外から自分で買うことができます。海外転送会社も自分で利用できますので「仕送り」の場合でも相手には国内発送を頼むだけで済みます。私書箱の利用はあくまで郵便物をどうするかで考えるべきなのです。「海外転送」はその後でも十分対応策はあります。
精神面:プライバシーと気兼ねをどう考えるか
一番の問題はやはり精神面でしょう。頼む相手によってはお互いに精神的に負担となる場合もありえます。主に3つのパターンがありますが、ストレスとなるなら「最初からお金で解決」も大事な考え方です。
1.プライバシー
通販のDMなど発送元を知られたくない場合、はがきの文章が意図せずとも読めてしまう場合、クレジットやローン、銀行残高など金銭が絡む郵便物でプライバシーを保つのはある程度あきらめなくてはなりません。 実家や家族、知人だからこそ知られたくないと思う人も多いです。
2.自分の不満
広告など要らない郵便物を高い航空運賃をかけてわざわざ送ってもらったり、連絡が遅く急ぎなのに期限が過ぎてしまったり、書類提出や支払いに困っている等、お願いしている立場上我慢するしかないこと、一方的に頼みごとを重て気が引けるという事も起きてきます。お願いやお礼のメールのやりとりや実際にお返しをすることが、意外に煩わしく感じたり、高くついてしまう時もあるかもしれません。
3.相手の不満
「いつまで預かるの?」と聞かれてしまう。2年くらいでそのような時期が来るとのお話をよく耳にします。気軽に引き受けてしまったのはいいが、面倒と思うこともあるでしょう。言ってくれる場合はまだ良いですが、言わずに不満を抱えていると相手との関係性も崩れてしまう恐れがあります。負担となっていないかの確認・フォローは何度も行うことが大切です。
問題面:準備に時間をかけられれば大丈夫
準備をしっかりとすれば、相手の負担も減りますので私書箱を使用せずとも自分も気兼ねすることが少なく身近な人にお願いできます。下記は、お勧めのご依頼前の準備です。
<不要郵便物の停止>
いらないだろうと思いつつ対応するのは相手も気持ちのいいものではありません。
できるだけ郵便物を整理するのは依頼側の努めです。
<住所変更・転送(転居届・送り状)>
海外住所を記載した送り状、宛名のラベル印刷、一年ごとの転居届
お願いすることになるであろうと予測できるものは自分であらかじめ用意してあげると親切です。
<引き落とし(納付書)>
支払いは毎月となることも多いですので負担となります。引き落としの手続きは漏れがないよう対応しましょう。
<金融機関(海外在住使用可否確認・クレジットカード)>
カードの更新にも使われる本人限定郵便や転送不要郵便などは受け取れなかったり、問い合わせが入ることも考えられます。特に海外居住者の利用を認めていない金融機関をそのままにしておくと迷惑が掛かります。企業の方針に合わせ海外でも利用可能なものに契約を見直すことも必要です。
作業面:LINEで写真を送れるか
準備を怠りなくして相手との関係が良好であれば郵便物の管理を任せても問題出ること話少ないです。ただ、どうしても状況が分かり辛いという知人に頼むには少しわがままな要望が残ります。
何が届いているかわからないから不安⇒(急ぎのものがあるかもしれない)⇒海外に送ってもらい確認する⇒対応が必要なものを再度お願いする。
1週間に1度でも2週間に1度でも写真を撮ってもらえれば海外にいても郵便物の90%は解決です。
<Line(写真)>
郵便物の確認等では共通で同じ写真が見れると話が早いです。メール添付で送付してもらうのは意外と大変です。Lineは使い勝手が良いと思いますが、他のものでも相手に負担の無いアプリやソフトを準備してあげましょう。(中国は使用不可なアプリが多いので注意)
結論:要望と負担のバランスで決める
知り合いへの依頼で全てをかなえることはなかなか難しいと思います。最後は、希望と相手が余り負担にならずに出来ることを上手に組み合わせていくしか方法はありません。
要望と負担のバランスがどちらかに傾いたら無理をせず私書箱のご利用を検討ください。
実は私書箱利用の最大の利点は心配事が1つ減ることです。
もう一つの考え方としては時間軸があります。郵便物は出国後3か月~半年が1番大変です。その期間は海外の新生活でわからないことも沢山ありますし悩みも多い時期です。
お知り合いに郵便物の管理をお願いできても、その準備をご自身主導で整えることは労力も必要となってきます。慌ただしい出国だったため準備が足りず、友人に迷惑をかけてしまったということも十分に考えられます。
業者にはその分野において知識と経験が備わっておりますので、スタートを任せることは心配事を一つ減らすことになります。生活に慣れ、郵便物が落ち着いたら、その後に変更というのも1つの選択肢として有効な考え方といえるでしょう。